つらい生理痛に毎月悩まされているあなた、薬でだましだましやり過ごす生活から抜け出したいと思いませんか?
- 増加する月経回数
晩婚化や出産回数の減少はいまや世界全体の流れです。そのため女性の一人当たりの月経回数が増えています。ちょっと古い比較ですが 80年前(1930年代)に比べると、現代の女性の平均月経回数は9倍(450回)にもなっているとは驚きです。
そう考えると、生理痛・不安を感じている日本人女性が20代で約8割、30代で7割以上、40代でも6割以上もいることは、当然といえば当然かもしれません。
だからと言って薬に頼る生活を続けることで良いのでしょうか?
特にピル(経口避妊薬)には頭痛や吐き気といった副作用だけでなく、血栓を固める作用があり血圧が高めの方などは要注意です。
2.ではどうしたら、、、薬に頼らない方法はないのでしょうか?
私の友人に、20歳過ぎからひどい生理痛に悩まされあらゆる市販薬を試し、30代になって初めて婦人科を受診したところ5センチ近い子宮筋腫が見つかった人がいました。その時から彼女は妊娠をあきらめ、約20年間にわたりピル(経口避妊薬)で辛い月経痛をなんとかやり過ごすことに専念して多くの時間とお金を費やしてきました。
彼女が苦労している姿をみて「もっと薬に頼らない方法はないのか?現代でも本当にそれしかないのか?」と疑問を感じていました。
そこで今回は、薬に頼らない安全かつ効果的な最新の治療法の一つとして注目を浴びている、鍼灸治療[1]を取り上げました。
3.生理痛と鍼灸 そのメリットとデメリットとは、、、
メリット
鍼灸治療のメリットと思われることは3点あります;
- 鍼灸の経絡(けいらく)治療では、身体「全体」を一つのシステムとしてとらえ、腰やお腹の痛みだからといって腰周りだけではなく全身の問題に対処するにもかかわらず、副作用がほとんどない点
- そのため実は冷えやむくみ、下痢や便秘、めまい・イライラなど幅広い症状に効果を上げている点。「生理痛と鍼灸治療」の組み合わせは、後でご説明する自律神経に関係しています。
- 鍼灸師の国家資格の取得には、西洋医学にも通じていることが条件です。西洋医学も東洋医学も理解した鍼灸師が、患者さん一人一人の婦人科治療の状況(西洋医学)をフォローしながら、東洋医学の治療を行ってくれるので安心な点
例えば生理痛には姿勢が関係します。デスクワークなどで不自然な姿勢を続けると、背骨及びそれを支える骨盤及びその周囲の筋肉が緊張、骨盤内側にある子宮を月経収縮時に圧迫、神経的な痛みにつながることが考えられます。
鍼灸治療ではそのような緊張などを緩和し、血流を改善して神経の伝達の流れを正常化することが期待できます。
さらに、東洋医学独特の「経絡」などに鍼灸でアプローチすることで、女性ホルモンの分泌をコントロールしている「自律神経」を整え、ひいてはホルモン・バランス全体を整えることも可能になります。
このことは生理痛の症状だけでなく、自律神経に関わる他の症状の抑制や予防にもつながります。例えば心拍数の上昇・消化器官の機能低下・血管の収縮・興奮状態の抑制などに効果があることが分かっています。
デメリット
デメリットは下記と考えられます。
- 生理痛が腫瘍などの器質的な原因で起こっている場合には鍼灸治療ではなく婦人科に行かないといけないこと
- 体の内側からの変化・適応を引き出すので、そのための一定の期間(少なく とも1~3か月以上)の時間が必要であること
- 保険が効かない*ので費用がかかること
- 技術や専門性の高い院を選ぶ目が必要なこと。また、できれば女性の鍼灸師に診てもらいたいがその人数は限られていること
4.まとめ
生理痛の症状をどうにかしたいのであれば、ピルなどの薬の摂取で補おうとするよりも、鍼灸治療など自律神経を整えられる方法で、身体を整えていく方がメリットは大きく安全であると考えられます。
生理は女性が30-40年付き合っていく自然の身体のサインです。そのサインを受け止めながら、体を適応さえていける鍼灸治療を、頼りになる習慣にしてみるのはいかがでしょうか。